秋が深まるにつれて、愛犬家を悩ませることが増えるものと言えば『抜け毛』。
抱っこをすれば服が毛だらけ。
ぬくぬくしたいこたつも毛だらけ。
どんなに掃除をしても、ふわふわとした毛がそこら中についていて、困ってしまいますよね。
一年中毛は抜けているけど、特に増える時期がある気がする!!
そうなんです!!それがまさしく『換毛期』。
換毛期がくる時期は、ある程度決まっています。
それを知っておいて対策ができれば、換毛期も楽に乗り越えることができますよ。
犬の抜け毛をそのままにしておくのは、見た目の問題だけではなくハウスダストなど健康に良くない影響も。
犬も飼い主さんも心地よく過ごすためにも、ぜひ読んでみてね!!
今回は、抜け毛が増える時期と、快適に過ごすためにできる事前の対策についてお伝えしていきます。
犬の抜け毛が増える時期とは?
犬の抜け毛が増え、毛が生え変わる時期。
この時期のことを、『換毛期(かんもうき)』と呼びます。
一般的に、換毛期は1年に2回、春(5~7月)と秋(9~11月)にやってきます。
期間は10日~20日くらい。個体差があります。
ただ、最近では換毛期がはっきりとせず一年中一定の量が生え変わり続ける子もいるようです。
これは、換毛期が日照時間や気温の影響を強く受けるため。
室内飼いだと季節の変化をあまり感じられずに、換毛のリズムがつくられにくいのではと考えられているんですよ。
もし、春や秋以外にたくさん抜けたら、病気が隠れているのかも?詳しくはこの後解説するよ!
犬の毛が抜ける理由
わたしたち人間の髪の毛と同様に、犬の毛は一年を通して生え変わっています。
ただ、換毛期(かんもうき)があるとはいえ、一度に多くの毛が抜けるとびっくりしてしまいますよね。
まず簡単に、毛が生え変わる仕組みを確認しておきましょう。
生えて伸びる(成長期)→決まった長さで止まる(退行期)→毛が抜けて新しい毛の準備をする(休止期)を繰り返しているんです。
このサイクルのことを『毛周期(もうしゅうき)』と呼びます。
毛周期はいくつかの理由で変わることがあります。
主な理由はこちらです。
- 遺伝子(毛の長さを決めるもの。短毛種と長毛種で異なる。)
- 日照時間
- 気温
- 体の栄養状態
- ホルモンの影響 など
では、毛が生え変わる仕組みを踏まえて、毛が抜ける原因を改めて解説していきます。
換毛期
日照時間と気温の変化が、換毛期をもたらします。
春と秋に換毛期がやってきて毛が抜けるのは、ずばり夏と冬を快適に過ごすため。
つまりは、犬にとっての衣替えなんです。
”夏毛”とか”冬毛”ってよく言うよね!!
犬の毛は、長い・短い・カールしているなどの毛質の他に、持っている役割で”上毛”と”下毛”の2種類にわけられます。
毛の種類 | 役割 |
上毛(オーバーコート、トップコート) | 日差しや雨・風などから体を守る
→人間で言う上着のようなもの |
下毛(アンダーコート) | 体温が逃げないように保つ
→人間で言う下着のようなもの |
わたしたちも、春や秋には衣替えをして洋服の厚さなどを調整しますよね。
犬は、夏になると密度が低い上毛を増やして通気性を良くし、冬は密度が高くふわふわしている下毛を増やすことで温かく過ごせるようにします。
こうして毛の入れ替えを行うため、換毛期には大量の毛が抜けるというわけです。
なるほどねー。見た目は変わらなくても、ちゃんと調節してるなんて偉い!!
心配な抜け毛もある
栄養状態やホルモンの影響で、大量の抜け毛が起きることもあります。
春や夏など換毛期以外の時期に毛が多く抜けることがあれば、次のような原因が考えられます。
- ノミ・マダニ
- ストレス
- 皮膚炎
- 皮膚糸状菌症
- 栄養不足
- ホルモン性の脱毛症
もしかすると、犬はかゆいのを我慢していることもあるかもしれません。
犬種によって抜け毛の量は違う?
友達の犬はあまり毛が抜けないようなんだけど、犬種の違いがあるの?
そうなんです。
換毛期に毛が抜ける原因のところでお話しした、”上毛”と”下毛”に関係があります。
どの犬種でも両方の毛を持っているわけじゃないんだよ
抜け毛量を決めるシングルコートとダブルコート
トップコートやオーバーコートと呼ばれる上毛のみを持つ犬種は”シングルコート”、上毛に加えてアンダーコートと呼ばれる下毛の2層の毛を持つ犬種を”ダブルコート”と呼びます。
上毛ももちろん生え変わるので、シングルコートでも抜け毛はでますが、圧倒的に多いのはダブルコート。
我が家にいた愛犬2匹はダブルコートであるダックスフンドだったので、それはそれは抜け毛に悩まされました。
レッド(茶)とブラックタン(黒)でしたが、目立っていた抜け毛はふわふわの白い毛。下毛だったんですね!
抜け毛が多いのはダブルコートの犬種
代表的なダブルコートの犬種をあげてみますね。
お家のわんちゃんは入っているかなー??
- チワワ
- ダックスフンド
- ポメラニアン
- ゴールデンレトリーバー
- ラブラドールレトリーバー
- ウェルッシュ・コーギー・ペンブローク
- サモエド
- フレンチ・ブルドッグ
- 柴犬
- 秋田犬
- シーズー(ダブルコートの中では抜け毛が少ない)
ちなみに、日本国内で多く飼われているシングルコートの犬種は、プードル、ヨークシャー・テリア、マルチーズ、ミニチュア・ピンシャー、イタリアン・グレーハウンドなど。
毛が短い日本犬はダブルコートで、くるくるな毛のプードルはシングルコート。毛の長さは関係ないのね!!
今からできる犬の抜け毛対策4選
ダブルコートのわんちゃんと暮らす飼い主さんにとって、換毛期の抜け毛との戦いは避けて通れない道。
そうであれば、先回りして対策をしちゃいましょう!
抜け毛をそのままにするとダニの繁殖につながったりして、人にも犬にも良くないよ
どの犬種でも取り入れやすく準備が少ない順に、わたしなりのおすすめ度を★で表してみました。
おすすめ度 | 対策 |
ブラッシング | |
服を着せる | |
シャンプーをする | |
トリミングに行く |
おすすめ度5: ブラッシング
まず取り入れることをおすすめしたい対策は、『ブラッシング』です。
ブラッシングによって、毛が抜け落ちる前にキャッチして取り去ることができます。
抜け毛対策としてだけでなく、皮膚に異常がないかをチェックできたり、血行を促進して毛並みを維持したり、スキンシップの一環としても効果的なんです。
一石…何鳥?メリットがいっぱいあるね!
ブラシにはいろいろなタイプがあるので、毛の長さや固さなど、お家のわんちゃんにぴったりのものを選ぶようにするのがコツ。
また、換毛期の時期だけ必死にブラッシングしようとしても犬は嫌がってしまうかもしれません。
嫌なものは嫌!という犬もいるかもしれませんが、日常使いをしておくことで慣れてくれますよ。
飼い主さんもリラックスして、優しい顔でお願いね!
アンダーコートまでしっかり取ってくれるこのブラシは、換毛期にぴったり。
犬の大きさ、長毛or短毛用と、バリエーションが豊富なのも魅力ですね。
おすすめ度4: 服を着せる
次におすすめなのは、服を着せることです。
服を着ていれば、その部分の抜け毛は床に落ちたり、空中を舞ったりせずに済みますね。
着せるだけなので簡単ではありますが、犬にとっての負担や、服を着せる習慣が全くない場合を考え、★4つとしました。
同じ服を着せたままにすると皮膚炎などを起こしやすいから、毎日変えてね!
おすすめ度3.5: シャンプーをする
ブラッシング同様、抜け毛が落ちる前に取り去るのに効果抜群なのがシャンプーです。
被毛についた汚れや、皮膚も清潔に保つことができますね。
★5じゃないのはなんで?
自宅でのシャンプーってそれなりに労力を使うな、と感じていたのがその理由です。(笑)
2匹のダックスがいた我が家は、母が洗う係、わたしは乾かす係と役割分担をしていました。
でも、シャンプーをするとふわふわな毛がぺちゃんとなって、いつもと違うシルエットがまた愛らしいんですよね。
シャンプーを選ぶ時には、低刺激のものを選んであげたいですね。
おすすめ度3: トリミングに行く
長毛の犬の場合は、トリミングに行くのもおすすめ。
抜け毛そのものが減るというわけではありませんが、お手入れがラクになります。
最近では”抜け毛対策コース”を用意しているトリミングサロンも多いので、専用サービスを利用してみるのも良いですね。
まとめ
今回は犬の抜け毛についてお伝えしてきました。
犬の毛が多く抜ける時期を『換毛期』と呼び、通常1年に2回、春と秋にその時期を迎えます。
もしも換毛期以外の時期に多く抜けることがあれば、病気やトラブルの可能性があるので動物病院に相談してみてね。
換毛期があるかどうかは、犬種によって異なります。
犬は上毛のみを持つ”シングルコート”と、上毛と下毛の両方を持つ”ダブルコート”に分けられます。
換毛の時期に抜け毛が多くなるのはダブルコート。
それぞれの代表的な犬種は次の通りでした。
【シングルコート】
- プードル
- ヨークシャー・テリア
- マルチーズ
- ミニチュア・ピンシャー
- イタリアン・グレーハウンド
など
【ダブルコート】
- チワワ
- ダックスフンド
- ポメラニアン
- ゴールデンレトリーバー
- ラブラドールレトリーバー
- ウェルッシュ・コーギー・ペンブローク
- サモエド
- フレンチ・ブルドッグ
- 柴犬
- 秋田犬
- シーズー(ダブルコートの中では抜け毛が少ない)
など
一緒に暮らすわんちゃんがダブルコートであれば、事前にしっかり対策をして換毛期をラクに乗り切りましょう。
手軽、かつ犬種を問わず取り入れやすい、対策のおすすめは次の4つです。
おすすめ度 | 対策 |
ブラッシング | |
服を着せる | |
シャンプーをする | |
トリミングに行く |
犬にも飼い主にも負担なく、快適に換毛期を乗り切ることができるように、少しずつ対策を進めていきたいですね。